余市について

ニッカウヰスキー発祥のこの地では、１９３４年の創業以来、石炭直火蒸溜という伝統的な製法が頑に守り続けられています。この製法は、高温で瞬時にもろみを焚きあげるので力強く、香ばしいモルトを生みだすのが特長です。それゆえ、余市モルトは男性的で、力強い個性があります。冷涼で湿潤な気候、澄んだ空気、川から立ち昇る靄（もや）、海からの潮風など、厳しい自然に囲まれた場所にある北海道余市蒸溜所。竹鶴政孝が学んだロングモーン蒸溜所のポットスチルは「ストレートヘッド型」で、余市ではこの型を使用しています。北の自然と伝統製法が生み出す余市は、竹鶴氏の夢と情熱に包まれ、ニッカだけではなく、日本のウイスキーの聖地といっても過言ではありません。余市蒸留所の歴史はそのままニッカウヰスキーの歴史にも重なります。１９３４年、初めはジュースの工場として始まった余市蒸留所はりんごジュース作りからスタートしました。しかし当時りんごの売り上げが伸びなかったため、ウイスキー作りに転換し、そして１９４０年に初めてウイスキーを作り上げたのです。のどかな余市の土地は竹鶴氏にとってウイスキー作りの情熱を燃やした土地でした。