ビールと発泡酒と第三のビールの違い
酒類販売店に行くと多くの種類がずらっと並んでおり、どれがビールでどれが発泡酒か分かりにくくなっています。
また第3のビールというものもあり更に分かりづらくなっています。
一体どう違うのでしょうか?
違いのポイントは「原料」と「麦芽比率」にあります。
原料の違い
・ビール
主に大麦の麦芽を原料としたもの
・発泡酒
麦芽又は麦を原料の一部としたもの
・第三のビール
麦芽以外の原料を使用したもの
麦芽比率の違い
・ビール
麦芽使用比率が66.7%(3分の2)以上のもの
・発泡酒
麦芽使用比率が50%未満、25%以上
・第三のビール
25%未満
背景
・発泡酒
順調に伸びてきたビール業界ですが、デフレが長期化し停滞した経済状況で給与が下がり、少しでも安く競争力のあるビールを造らなければならなくなりました。
そこでビール業界があみだしたのが、まずはビールより税金が安い「発泡酒ビール」です。この「発泡酒ビール」が「第二のビール」と呼ばれるものです。
ビールの原料となる麦芽の比率を下げて造られたもので、麦芽使用率は25%~67%未満で、主流は25%未満です。それゆえ、どこか味わいに物足りなさがあります。
しかし、低い税率と高価な原料である麦芽の比率を下げることで、価格を下げることに成功。価格が下がったことで競争力が上がり、よく売れるようになりました。
第三のビール
売れると税金を掛けてくるのが国税局。そこで、ビール業界は別の魔球を開発します。さらに税金が安く、価格を下げることができる新ジャンルの「第三のビール」を誕生させます。
「第三のビール」は、麦芽使用率0%。「もはやビールではない」と言えるかもしれません
。原料が「麦芽」以外のもので、エンドウ豆、大豆、トウモロコシなどで造られ、ビールの風味を付けています。しかし、売り出されるボトルはビールをイメージさせるものばかりで、かなり誤解を生じさせています。
また、まだ「第三のビール」のカテゴリーに属していますが、すでにリキュールタイプの「第四のビール」まで誕生しています。
ある意味、日本酒業界が戦後に日本酒を三倍に薄めた「三増酒」なるものを造り出したり、日本酒っぽい「合成清酒」なるお酒を世に送り出したりしたのとそっくりです。
原料の安い国で、安価なジュース並の価格で「第三のビール」や「第四のビール」が造られたらどうなるのか。「国税局」VS「ビール業界」戦争が、どこまでも続いていくかもしれません。「第一のビール」の味わいが、世の中から消えないようにしてもらいたいものです。