スピリッツは凍らない
冷えたお酒は美味いですが、手っ取り早く冷凍庫でと考える人も多いのではないでしょうか?
冷凍庫だと、凍ってしまうのでは?と思いますが、お酒は0℃でも凍ることがありません。
アルコール度数によって凍結する温度が異なるため、度数が高いほど凍らないのです。
では、なぜ凍らないのか見ていきましょう。
お酒の氷点
いろんなお酒がありますが、それぞれ氷点が違います。
水の凍結温度は0度ですが、お酒に含まれるアルコール(エチルアルコール)の氷点は、マイナス114.5度です。
お酒は、水とエチルアルコール(エタノール)の混合物ですから、アルコールが多ければ多いほど凍りにくくなります。
つまり、「度数が高い=強い」お酒が凍りにくいということになります。
・ビール・・・4~6度
・ワイン・・・10~14度
・日本酒・・・12~18度
・焼酎・・・25~45度
・ウィスキー・・・35~55度
・ウォツカ・・・40度以上
一般の家庭用冷凍庫の温度は-18℃くらいなので、アルコール度数が15℃のお酒ならば凍りますが、それ以上度数が強くなると凍りません。
日本酒のアルコール度数は15度くらいなので、家庭用冷凍庫で凍るのは日本酒くらいまでです。焼酎やそれ以上度数の高いお酒は凍らないということです。
アルコール度数の高いお酒
ウォツカはご存知ロシヤのお酒です。
ロシヤの厳しい冬は、日本とはくらべものにならず、冷凍庫の中より気温が低いことも当たり前の状況です。
スコッチウィスキーの本場、イギリスも割りと寒いところです。
ロンドンの緯度が、札幌と同じくらいで、スコットランドなどはさらに北のほうですから、イギリスよりもっと寒いのでしょう。
こういう寒いところでは、体を温めるために強い酒を飲みますが、それだけでなく、アルコール度数が低いと外におくと凍ってしまうのです。
ちなみに度数がもっとも高いお酒はポーランド産のスピリッツ『スピリタス』です。
アルコール度数は驚愕の96%!
アルコールの活用例
低い温度でも凍結しないので、アルコールは様々な分野で活用されています。
例えば、凍結防止剤として使用されています。寒冷地での融雪剤の成分としてアルコールは使われています。太陽光システムやスプリンクラーの凍結・腐食を防止する役目もあります。
また、食品工場や化学工場、冷凍設備、貯蔵タンクなどの冷却施設での冷媒としても多用されています。
アルコールを含んだお酒はマイナス温度になっても凍結することがなく、度数によって凍結温度が異なりますので、
度数の高いお酒を冷凍庫に入れても凍ることはなく、キンキンに冷えるだけなので、真夏にはいいかもしれません。